着物リメイクバッグとともに燈芯の世界へ—奈良・安堵町歴史民族資料館での体験記
大阪で着付け教室・和裁教室・出張着付け・お着物相談をしている着付けと和裁〜いろは〜の吉田さきです。
先日、手作りの着物リメイクバッグを持って、奈良県の安堵町歴史民族資料館へお出掛けしてきました。
お揃いのポーチ2つ(ひとつはお札入れにアレンジ)と、がま口も一緒に。
柔らかな陽射しの中、ピンク地に草葉紋様が映えるバッグたちが、まるでお出掛けのお供のように寄り添ってくれました。

訪れた場所:安堵町歴史民族資料館
この資料館は、奈良の伝統文化や民俗技術を丁寧に保存・紹介している場所。
安堵町歴史民族資料館


今回の目的は「あしべ織汗取り襦袢」の中に使われる“燈芯”を実際に引き出す体験をすることでした。

燈芯とは?—イグサから生まれる、汗取りの知恵
燈芯(とうしん)とは、昔からロウソクの芯としても使われてきた素材。
実はこの燈芯、畳にも使われるイグサの中心部分から取り出されるのです。


スポンジのような質感で、吸水性に優れており、汗をしっかり吸い取ってくれるのが特徴。
あしべ織汗取り襦袢は、この燈芯を縦に並べて織り込んだ、夏にぴったりの肌着。
透かして見ると、細長い燈芯が美しく整列していて、まるで自然が織りなす模様のよう。
数年前に比べて価格が上がってしまったのは、手間と素材の希少性ゆえかもしれません。
夏にぴったりの肌着ですが、その着心地と安心感ゆえに季節問わず年中来ておられる着付け講師の方もおられます。
体験して感じたこと
燈芯を引き出す作業は、見た目以上に繊細で、イグサの一本一本に向き合う時間。
体験させてもらいましたがとても難しく、これをすんなりとやってのける様はまさに職人技でした。
手の中でふわりと広がる燈芯の感触は、まさに自然からの贈り物。
その素材が、着物を着た時の下にそっと寄り添い、汗を吸い取ってくれると思うと、
昔の人々の知恵と工夫に改めて感動します。




着物の物語や想いが現代の暮らしと交わる時
この日の装いは、10月といえどまだまだ暑い日。単衣の着物に袖を通しました。
羽織は着るのをギリギリまで悩みましたが、きっと荷物になるだろうと判断し帯付き姿でお出掛けしました。予想通り羽織無しでちょうど良い気温でした。
持って出掛けたのは手作りの着物リメイクバッグとお揃いの小物たち。
古布に宿る物語や想いを現代の暮らしに溶け込ませることで、文化は“今”を生きるものになるのだと感じています。
バッグを持って歩くたびに誰かの目に留まり、
「着物ってそんな風に生まれ変われるんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。
バッグに生まれ変わったこの着物は本当は処分されかけていたものなんです。
着物からバッグになることで、着物の記憶がまたひとつ語り継がれていくような気がします。

着物リメイクバッグ制作は現在勉強中で、来年の2026年にディプロマを取得予定です。
取得できましたらワークショップを開催し、皆さんにも作る楽しさと着物を甦らせる嬉しさを体験してもらいたいと計画中です。
是非、楽しみに待っていていただけたらと思います。
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