はじめての「私だけの外泊」——祇園祭と着物で過ごした京都の贅沢な二日間
大阪 平野区で着付け教室・和裁教室・出張着付け・お着物相談をしている着付けと和裁〜いろは〜の吉田さきです。
結婚して10年が経ちました。母として、妻として、家族の時間を大切にしてきた私が、今年ついに初めて「自分だけの外泊」を経験しました。 それは、小さくも確かな自由の第一歩であり、自分へのご褒美のような旅でした。

祇園祭と粽(ちまき)——心踊る瞬間から始まった夏の物語
旅の仲間6人と向かった先は、京都。
ちょうど祇園祭の前祭と後祭の合間の日で、浴衣姿で町を歩く私たちに、祭りの熱気と情緒が降りそそいでいました。 初めて手にした粽(ちまき)は、小さくも深い意味を持つ京都らしい縁起物。香りと祈りが包まれたその存在に、心がふっと和らぎました。

着物で紡ぐ二日間の物語
この旅のもうひとつのテーマは「着物で過ごすこと」。
1日目は浴衣、2日目は夏着物を身にまとい、異なる装いで京都の風景に寄り添いました。荷物はホテルから自宅へ発送したことで、2日目は驚くほど身軽で快適に観光を楽しめました。

着付けが不安だったお仲間さんへそっと手を添えて
一緒の部屋になったお仲間さんの中に、「着付けが少し不安」とおっしゃる方がいました。
ご要望もあり、お着付けを手伝うと、彼女はぱっと笑顔になり「安心した」と言ってくれました。
旅の準備や装いは楽しさの一部ですが、少し不安がある時に誰かがそばにいてくれることも、また旅の喜びなのだと思いました。


舞妓さんの舞に、お稽古の記憶がよみがえる
宿泊したホテルでは、舞妓さんが舞を披露してくださる特別なサービスが。 舞台に立つのではなく、私たちのすぐそばで舞うその姿に、皆が静かに見惚れました。
私自身も日本舞踊を習っていた経験があるため、舞妓さんの目の動きや細やかな所作に「さすが…」と心を奪われました。技術というより、空気を操るような美しさ。身体に染み込んでいる美意識を呼び起こされるような瞬間でした。

家族からの電話がくれた“安心”のような気持ち
夜、スマートフォンが鳴りました。9歳の娘からの電話でした。
「パパ先に寝ちゃったから、わたしがお風呂に入れて、布団も敷いたよ」
7歳と3歳のきょうだいを世話してくれたその報告は、私を安心させるためでもありますし、褒めて欲しい気持ちもあったかと思います。
私がいなくても娘は“お姉ちゃん”としての自覚をもって行動し、家族の中で新しい役割を担ってくれていました。『いつも妹・弟のこと見てくれて、さらにパパの面倒も見てくれてありがとう!』と感謝を伝えました。
去年の涙、今年の笑顔
実はこの旅、昨年も誘っていただいていました。でも夫の許可が得られず、不参加に。 だからこそ今年は、喜びと感謝が一層深く、旅の間じゅう「参加できてよかった」と何度も心の中でつぶやきました。 旅を企画してくれたお仲間さんへ、心からの「ありがとう」を贈りたいです。

旅の終わりに待っていた、静かな「おかえり」
家に帰ると、家族の表情がなんだかいつもと違って見えました。
子供たちが「おかえりー!」と言って抱きつきに来てくれたその行動に胸がじんわり。
夫も「楽しめた?」と聞いてくれて……その瞬間に、この旅の意味がすべて詰まっていた気がします。
この京都旅は、「母」「妻」「私」のすべてを肯定できるような、自分自身へのささやかな贈り物でした。
そして、誰かの手をそっと取ること、自分の世界を広げてみること、家族への信頼を育むこと——そんな旅の意味に、今も心が静かに響いています。


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