想い出がかたちを変えて、また日常に寄り添う——私の着物リメイクの楽しみ
大阪で着付け教室・和裁教室・出張着付け・お着物相談をしている、着付けと和裁〜いろは〜の吉田さきです。

このところ、時間を見つけては「着物リメイク」に夢中になっています。
きっかけは、お着物相談の《整理と仕分けコース》のサービスを始めてから。
お客様が、『長年大切にしていたけれど、袖を通す機会のなくなってしまった着物を手放す』という場に遭遇することが増えてきたことにあります。
私は業者ではないので買い取りはしておらず、手放し方はお客様に委ねています。
手放し方は色々と方法があるので、その都度お伝えさせていただいています。
どうされるかはお客様次第なのですが、『処分』という決定をされてしまうお着物の中には着ることはないのだけど処分するには惜しい…という着物がたくさんあります。
箪笥の中で眠らせておくだけではもったいない。処分するのももったいない。
それなら、今の暮らしに合う形でそばに置いてあげたい——そんな気持ちから「リメイクバッグにしてみようかな?」と思い立ったのがはじまりでした。

まずはシンプルなトートバッグにリメイクしてみました。
薄くても張りがあり、しなやかな絹の質感は、まさに“和の風合い”をそのまま生かすのにぴったり。
裏地には濃いめの木綿を合わせてみたら、落ち着きのある仕上がりになりました。
作っている間は、まるで着物と会話するような感覚。
「この柄の出方をどう活かそうかな」「ここはあえて無地場を見せようか」などと、頭の中でイメージを巡らせながら制作する時間。
静かで、どこか懐かしくて、そして何より、とても豊かな気持ちになります。
できあがったバッグは、お稽古に行くときや、普段のお出掛けに持ち歩いています。
お店の方や知り合いに「素敵ですね、そのバッグ」と声をかけていただくこともあり、そのたびにうれしさとちょっとの照れくささが入り混じります。


そして最近は、「これは端切れでポーチにできそう」「この柄ならがま口にしても可愛いかも」と、アイディアがふくらむ一方です。余った部分はコサージュやシュシュなど、小さな和のアクセサリーにして、贈り物にするのも楽しみのひとつ。
想い出を分かち合えるような気がするからでしょうか。


着物って、ただ“着るもの”ではなく、纏う人の暮らしや心をあらわす布だと思います。
その布が、新しい形になって再び日常の中に息づいていくのは、とても豊かで愛おしい営みだなあと、あらためて感じています。




これからも、少しずつでいいから、たくさんの想い出を「今のかたち」に変えていけたら——
そして、処分されそうなお着物を一つでも救っていけたら——
そんな気持ちで、今日も静かに布と向き合っています。

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